日本航空株式会社

海外向けサイトを高速化し訪問者の離脱防止とユーザービリティ向上に貢献したアカマイソリューション

アカマイほどのパフォーマンスを出せるネットワークと知識、実績を持っていて、なおかつサービスに広がりや深さを持っているところは他にありません。

Web販売部 海外Webグループ(兼)旅客システム推進部 システム刷新推進室 マネジャー 丸山 貴史氏 , 日本航空株式会社

背景

日本航空は1951年創業で、日本初の国際線サービスを開始。ワンワールド・アライアンスメンバーとして、コードシェアを含め、現在305以上の空港、51以上の国や地域を、220以上の航空機でカバーしている。また、マイレージプログラムである「JALマイレージバンク」の会員数は、2900万人を突破。定時到着率においては、2009年、2010年、2012年、及び2013年の各年で、世界一の受賞を受け、全ての乗客へ最高レベルの安全と搭乗体験を提供することに全社員をあげて取り組んでおり、世界で最も信頼される航空会社になることを目指している。

課題

JALの海外向けコンテンツを収納したサーバーは、日本国内に設置されている。当然、アジアや欧米など海外の利用者がアクセスすると、国内からのアクセスに比べて情報が表示されるまでに時間がかかる。驚いたのは当時、海外向けトップページの表示に10秒以上かかっていたということだ。これでは、サイト訪問者が離れてしまう。アカマイのCDNソリューション導入の目的は、その時間を短縮するためだ。

Web販売部 海外Webグループ(兼)旅客システム推進部 システム刷新推進室 マネジャーの丸山貴史氏は、「JALでは海外向けのサイトを26地域・12言語で展開しています。まずサーバーが日本にあるということと、画像が多いということもあって、トップ画面が表示されるまでに非常に時間がかかっていました。eコマースでは、表示速度が遅いと離脱者が増える。つまり、"遅い"="お客様を失う"ことにつながります」と語る。

しかし、導入はすんなりとは決まらなかった。JALは2010年1月に会社更生法の適用を申請した。世界中が驚くほどのスピードで会社更生手続きを終了し、2012年3月期には2000億円を超える営業利益を計上。まさに「V字回復」である。とはいえ、その頃はまだ再建の道半ばだった。

丸山氏は、「会社更生法の適用申請前後は本当に予算が厳しく、限られた原資はそのとき最も収入が見込めた国内に集中するしかありませんでした。本当は海外もやりたかったのですが、できなかった。海外のお客様用ホームページには、まったく手をつけられませんでした」と当時を振り返る。

その頃は、まだJALの海外向けサイトを見て日本を訪れる外国人がそれほど多くなかった。当然、売上もそれほど大きくなかった。そこにコストをかけて、パフォーマンスを上げる必要はないのではないか。と、当時、会社を説得する事ができなかった。

各国支店の高評価に中国向けサイトや航空券予約サイトへもアカマイを導入

そんな状況に、2年ほど前から変化が見え始めた。円高から円安に急転し、海外から日本を訪れる観光客が増加し始めたのだ。加えて2013年9月には、2020年の東京オリンピック/パラリンピック開催も決まった。2007年1月に観光立国推進基本法が施行され、国として観光に力を入れている日本にとっては絶好のチャンス。JALにとってもこれは大きなビジネスチャンスであり、海外から訪日する外国人からの売上も見込める。こうして、Web販売部 海外Webグループ長 藤田氏や丸山氏による上層部や関連部署への必死の説得も功を奏し、海外向けサイトへアカマイのソリューション導入が正式に決まった。

海外向けコンテンツを収納した日本のサーバーにはDynamic Site Accelerator(DSA)を導入し、2014年1月に稼動が始まった。その効果はてき面だった。

「アカマイから調査結果を提供していただき、我々も第三者にパフォーマンスチェックを依頼しました。データに多少の凸凹はありますが、どちらの調査からも速くなったことが証明されました。そして何よりも各国の支店が、「速くなった」「速く感じる」と口をそろえて言ってくれました。中には「ありがとう」という声もあり、我々にとってはそれが大きな自信につながりました」(丸山氏)

会社側もこの成果を認め、続いて中国向けサイトへのDSA+ ChinaCDN(中国市場向け高速化オプション)の導入と、海外向けの航空券予約・購入システムへのWeb Application Accelerator (WAA)の導入が認められた。近年、経済成長著しい中国からは、中国人への日本のビザ発給要件が緩和されたこともあり、多くの観光客が日本を訪れるようになった。より多くの中国人にJALを利用してもらうには、コンテンツ表示の高速化は欠くことのできない対策のひとつである。

海外向け航空券予約・購入システムのサーバーはヨーロッパにある。チケット予約のためのWebアプリケーションが稼動するこのサーバーは、日本に設置されたWebコンテンツ用サーバーとは異なるセッティングが必要なため、導入作業を別個に行い2015年3月に稼動が始まった。

次の課題はシステムに合わせたコンテンツのチューニング

海外向けサイトへの目に見える効果があり、海外支店からも好評だったDSA導入だが、これで完了したわけではない。次はシステムのチューニングだ。JALの海外向けサイトは、もともと高速化を前提として作られたものではない。それを、アカマイソリューションを使って速くしているのが今の状態だ。

「速度の遅い車を、人が後ろからがんばって押しているようなものです。次は、しっかりとアカマイのキャッシング技術、高速化技術を前提としたサイトを構築しなければなりません。結果的にデータをローディングする時間は変わらないかもしれませんが、お客様の体感速度は大きく改善すると思います」と、丸山氏は言う。

サイトをチューニングしたら、その次に何をするか?それはまだ決まっていない。だが、どんな課題が出てきても、アカマイなら対応してくれるはず。CDN導入の際にアカマイを選んだ理由のひとつには、そんな安心感もあると藤田氏は言った。

「今回、他社のサービスを選ぶ可能性も当然ありました。会社側は、まず導入にかかるコストを言ってきます。そうじゃない、我々はサービス品質を含めてアカマイを推します、と繰り返し説明したものです」(藤田氏)

「単純に高速化だけなら、もっと安いところが他にもあります。でも、アカマイほどのパフォーマンスを出せるネットワークと知識、実績を持っていて、なおかつセキュリティや画像圧縮など、サービスに広がりや深さを持っているところは他にありません。そうした安心感があるのはアカマイだけです」(丸山氏)

今は使わないかもしれないが、何かあったときに対処できる技術と経験を兼ね備え、困ったときに的確なアドバイスを期待できる。それがアカマイを選んだ大きな理由だ。

「アカマイは、紳士服もあれば婦人服もあり、靴や鞄の売り場もある百貨店のようなものですね」と藤田氏と丸山氏は口をそろえて言った。