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全日本空輸株式会社

画像クオリティを維持してサイズを縮小 さらに、管理工程をシンプル化

お客様に訴求するための画像クオリティを維持しつつ、コストを抑えてレスポンスを高速化することに成功。さらに画像コンテンツにかかわる管理・運用工程をシンプル化でき「まったく手間がかからなくなった」

グラフィックのクオリティが求められるWebサイトにおいて、お客様の利用デバイスや環境に合わせて画像を複数用意していましたが、ファイルサイズが大きくなりトラフィックを圧迫していました。Image Managerの導入で、画像ファイルのサイズを大幅に低減できただけでなく、管理工程もシンプルにできました

高島 志郎 氏 , 業務プロセス改革室,企画推進部,情報セキュリティ・基盤戦略チーム , 全日本空輸株式会社

顧客満足度を高める一環としてWebサービスに注力

国内外に多数の拠点を持つ航空業界の最大手企業、全日本空輸株式会社(以下、ANA)。約260機の航空機を所有し、国内外の92都市(2017年2月時点)に就航しているほか、SKYTRAXワールド・エアライン・アワードでは4年連続で世界最高評価を得るなど、サービス品質の向上にも積極的に取り組んでいる。

ANAでは顧客満足度を高める一環として、Webサービスにも注力している。「業務プロセス改革室 企画推進部 情報セキュリティ・基盤戦略チームは、ANAのさまざまなITシステムのうち、主に通信ネットワークやWebサイト『ANA SKY WEB』のサーバ基盤といったインフラ系への投資のための企画業務を行っています」と語るのは、同チームの高島志郎氏。

特に「ANA SKY WEB」では、国内線、国際線の航空券の空席照会や購入、変更などが行えるほか、ツアーの紹介やキャンペーンの告知、会員サイト「ANAマイレージクラブ」など豊富なコンテンツを提供している。Webサイトはアクセスしてきた閲覧者に直接アピールできる有効なツールであるが、インターネット利用が急速に普及した時期には苦労も多かったという。

そのひとつがアクセス増加への対応だ。PCだけでなく、携帯電話、スマートフォンなどインターネットを利用できるデバイスが多様化し、常時接続が当たり前になるにつれ、Webサイトへのアクセスが増加した。「キャンペーンなどの際の急激なアクセス増加時も、お客様にご迷惑をおかけしないようにシステムを増強してきましたが、ピークに合わせたキャパシティを維持することは非常にコストがかかります。」と高島氏は当時を語る。

アクセス増加と同じ課題が、十数年後に画像で発生

キャンペーンの実施やメールマガジンの配信後、「旅割」などバーゲン運賃の提供など、マーケティング施策を行うたびに、Webサイトにアクセスが集中した。こうした急激なアクセスの増加もシステムの増強で対応できるが、施策が終了すると平常時のアクセス数に戻るため、コストをかけて増強したシステムは不要になってしまう。アクセスの増加はマーケティング施策の成功なのだが、それが閲覧者に不便を与える結果になっていた。

そこでANAでは、アカマイのCDNサービスを導入した。「当時の担当が、アカマイが米国で負荷分散の新しいテクノロジーを採用したサービスを開始したことを聞きつけ、導入に至ったと聞いています。それがCDNサービスでした。2000年頃の話です」と高島氏。CDNサービスは、アカマイが持つ世界中のサーバにコンテンツをキャッシュし、アクセスを分散する仕組みだ。

CDNサービスの導入で、アクセスが急増しても快適なWebブラウジングを提供できるようになった。しかしそれから15年あまり経過した現在、新たな課題が浮上した。「これはWebサイトの世界全体に言えることですが、現在は非常に高品質なグラフィックを使って製品やサービスの良さをお客様に訴えかけるWebサイトが主流になってきています。ANAでもコンテンツのリッチ化を進めていますが、その対価としてひとつひとつのWebサイトの容量が大きくなってしまい、お客様にとっては、サイトレスポンスが悪化する事態になっていたのです」(高島氏)。

ANAではWebサイト用の画像制作を外部に委託しており、「過度に華美ではないレベル」(高島氏)のレギュレーションで画像を制作している。それでもPC向けの画像は一定以上の解像度が必要になるし、スマートフォンのディスプレイも解像度が上がる傾向にある。さらにデバイスごとにそれぞれ画像を用意していたため、管理するコンテンツは数量ともに日々増大していったという。「コンテンツのリッチ化は上層部も理解していました。そこで、コンテンツのクオリティを下げるもしくはインフラに投資すると言った従来型のやり方に頼るのではなく、そのクオリティ維持とレスポンス向上の両立するための工夫を求められました。」と高島氏は当時を振り返る。

Image Managerの導入で「まったく手間がかからなくなった」

同チームが悩んでいたところに、アカマイのパートナーであるブロードメディア・テクノロジーズ社を通じて「アカマイImage Manager」の提案があった。Image Managerは、ひとつの画像を登録することで、ユーザーのデバイスやアクセス環境に合わせて自動的に最適な画像を生成し、配信するサービス。「画像のクオリティを維持しつつ、コストを抑えてレスポンスを高速化できる。まさに求めていたサービスだと思いました。導入に向け、画像のクオリティが劣化しないことを伝えるために社内向けにクイズを作成しました。」(高島氏)。

このクイズは、高品質のオリジナル画像とImage Managerでサイズを落とした画像を並べて見せ、判断させるというものであったが、見分けがつかなかったという。これにより上層部、マーケティング部門ともに理解を得ることができ、スムーズに導入の決定に至った。「マーケティング部では、レスポンスはもちろんですが、どうすればよりお客様に訴求できるか、クオリティを気にします。Image Managerは見た目のクオリティが下がらないこと、そしてそれを実際に確かめられたことが導入の大きな要因となりました」と、同チーム マネジャーの森下高弘氏は説明する。

ANAではImage Managerの導入を2016年9月に決定し、12月には導入が完了した。導入後は「画像のサイズが目に見えて減り、確実にレスポンスも良くなりました」と高島氏は言う。導入後、高島氏は欧州出張の折に現地でアクセスを試したところ、レスポンスの良さが明らかに体感できるレベルで向上しており、非常に使いやすいサイトになっていたことを実感したという。体感だけでなく実際に計測もしており、画像サイズは40%~60%程度削減し、画像読み込み時間も15~25%の範囲で短縮できているという。

さらに運用面においても効果があった。画像制作の外注先に細かな指示を送る必要がなくなったほか、以前は通信ログを監視してアクセスが増えるごとにマーケティング部門にその原因を確認していたが、それも不要になった。「まったく手間がかからない点が、非常に助かっています」と高島氏は導入効果を語った。

今後はボット対策なども推進し「お客様が快適にご利用できることを第一に」

Image Managerで画像サイズを削減してサイトレスポンスを向上させ、さらに運用負荷の低減も実現したANA。「アカマイとブロードメディア・テクノロジーズの双方にお手伝いいただいたことで、導入もスムーズに行えました」(高島氏)という。今後の取り組みについてうかがうと、「Webサイトをさらに快適にご利用いただくために、現在、いくつかの施策を考えています」(森下氏)。そのひとつに、アカマイの「Bot Manager」の導入を挙げた。

Webサイトにアクセスするのは、サービスの利用者だけとは限らない。ANAのような空席照会を行えるWebサービスを提供している場合、他のサイトがボットを使って自動的に空席照会を行い、情報を提供するケースも多い。こうした「本来のお客様ではない」アクセスによるトラフィックが徐々に増加しているという。Bot Managerでは、こうしたボットによるトラフィックを可視化し、ボット管理に必要なITオーバーヘッドを減らすことで、コストを削減できる。

「今後もお客様が快適にご利用できることを第一に、さまざまな施策を考えています。そのために、Bot Managerの導入やDDoS攻撃対策も含め、アカマイやブロードメディア・テクノロジーズとのお付き合いを深めていきたいと思います」と高島氏は語ってくれた。