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株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン

集客数増加の効果が見込めるサイトの表示時間短縮をアカマイ FEO により実現

アカマイが持っているプラットフォームと同じリソースを用意することは我々にはできません。それよりも、システム以外の部分にパワーを注いで、ゴルフのフィールドで一番になりたいと考えています。

ゴルフ場ビジネスユニット 企画部 部長 鈴木 尊文氏 , GDO

2011年のIT基盤改善では手薄だったパフォーマンスをFEOで改善

2000年5月に誕生したゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDOと略)は、約800万人といわれるゴルファーをターゲットとするゴルフ総合ポータルサイト。GDOでは、ゴルフ用品を販売するEコマース事業、ゴルフ関連情報やゴルフ広告を配信するメディア事業、そしてゴルフ場を予約できるゴルフ場事業の3事業を展開している。そのなかでゴルフ場事業の運営するサイトが、今年4月にアカマイのソリューションを利用したサービスをリリースした。

「ゴルフ場サービス事業でアカマイを導入したのは、サイト表示を速くしたいから。それが一番の理由です」と、ゴルフ場ビジネスユニット企画部 部長 鈴木尊文氏は言う。

GDOが運営するゴルフ場予約サイトは日本最大級で、国内外1,918コースと提携 している。コースを予約しようと思ったら多くのユーザはゴルフ場検索ページにアクセスして、日付、エリア、価格などの条件を指定。それだけで希望のゴルフ場を検索でき、24時間コース予約ができる。すなわち利用者の印象は、このゴルフ場検索から詳細ページまでの流れがストレスなくアクセスできるかどうかに大きく左右される。表示速度が向上すれば、離脱率が下がり結果的に予約数増加にもつながるだろう。

「我々の事業収益上のコンバージョンポイントはゴルフ場詳細ページです。実際、2008年にリソースの改善でサイトの表示速度が速くなり、予約数が伸びた経験があります。一方で、利用者から『サイトが重い』『表示が遅い』という声を聞くことも少なくありませんでした」(鈴木氏)

GDOでは、2011年にIT基盤を大幅に刷新した。おかげで3つの事業はそれぞれ必要なコンテンツを比較的容易に制作・配信できるようになったものの、パフォーマンスの改善が追いつかず、特に動的なWebページで遅さが目立つようになってきた。

そこで鈴木氏の頭に浮かんだのが、アカマイのFEO(Front-End Optimization) だった。FEOとは、エンドユーザーの環境にWebサイトのデータが届き、Webブラウザでレンダリング・表示されるまでの処理を最適化することによってサイトの表示速度を上げる手法だ。

FEOのサービスを提供するベンダーはほかにもある。しかし、CDN、FEOの両方のサービスを持ち、サーバー側からエンドユーザー側までを通してワンストップで最適化をサポートできるところはアカマイ以外にはない。

Webサイトはリッチ化する一方であり、デバイスはPC、スマートフォン、タブレットなど多様化し、OSやWebブラウザ、ディスプレイサイズも多岐にわたり、さらに3G、4G、Wi-Max、Wi-Fiなどネットワークも多様化している。このような状況で、サイト運営者が自力で高速化を試みるのは至難の業だ。アカマイのFEOは、その高速化を顧客企業が負担なく実現できるソリューションである。

ソリューションとしての優位性は高いものの、担当部署の一存で導入できるものではない。Webサイトの表示速度と収益との間に絶対的なベンチマークはないため、基盤投資として割り切ってもらい、離脱率の改善を収益として検討してもらうしかない。

「弊社の場合、上層部は比較的IT投資に積極的で、システム部門も導入を後押ししてくれました。また、メディア事業で2012年からアカマイのCDNサービスを利用していたことも優位に話がすすめられたポイントです。今回、そのアカマイの利用を拡張したい、ついては全社的に拡張するのはハードルが高いので、ゴルフ場事業でトライし、結果が出たら全社に広げたいという説明をしたところ、納得してもらえました。基本的なサービスからスモールスタートして、効果を確認しながらインテグレーターと共同してシステムを拡張していくことの重要性を再認識させられました。」(鈴木氏)」

2013年末にFEOの導入を決め、アカマイやシステムインテグレーターの協力で実装を行い、今年4月に稼働が開始した。

FEO稼働直後、PCによるサイト表示速度が52.6%アップ

FEOの導入直後、検証サイトにPCでアクセスしたときの表示速度は、導入前に比べて52.6パーセントアップしたという。また、これまで41万人だった1ヵ月当たりの平均送客数が、導入から1ヵ月経過した5月には47万人に増えた。すべてをサービス導入の直接的な効果と解釈はできないとしても、導入から1ヵ月しかたっていない時期としては上々の成果で、当初期待していた以上だった。

「帯域など条件のよい社内のネットワークからアクセスしても速さを体感できたくらいですから、帯域の狭いところで、なおかつPCも古い機種を使っているエンドユーザーの体感値はもっと大きいと思います」(鈴木氏)

ゴルフのハイシーズンは春と秋。導入するならそこに合わせたい。鈴木氏は当初、そう考えていた。FEOの導入自体は大きなトラブルもなく進み、実は2月には稼働の準備ができていた。それを4月まで延期したのには訳がある。消費税だ。消費税が5%から8%に上がれば当然、システム側で対応しなければならない。やらなければならないことの順番を整理して、消費税対応を前、様々なレイヤーに影響の出やすいFEOを後にしたという。

Webサイトの表示速度を上げるために、サーバーやハードディスク の増強などサーバー側でも工夫はできる。しかし、エンドユーザーはそれほど速度が上がったとは感じない。なぜなら、ユーザーが速い、遅い、を感じるのはWebサイトのデータの読み込みと表示で、要はクライアントPCのスペックに依存するパフォーマンスが、その判断の大部分を握っているという。FEOが注目される理由は正にここにある。

今回、GDOが実装したFEOの機能は、基本的に(1)JavaScriptの非同期処理と(2)JavaScript、CSSの圧縮の2点だ。「FEOにはたくさんのメニューが用意されていて、実際に導入したのはまだ全体の1/4程度です。オリジンのページ自体はいっさい修正していません」と、ゴルフ場ビジネスユニット 事業推進部 販売促進チーム マネージャーの加藤一輝氏は言う。

「当社のサイト構造的にそのままでは適用できないところがあり、そういったところには手を付けていません」(加藤氏)

構造的にそのままの状態ではFEOを適用できなかったのは、分かりやすい例がPCとスマートフォンで同じURLのWEBページだ。キャッ シュの動作はURL単位で動く。そのため同じURLで異なるページを表示しようとすると、システムはどちらをキャッシュしていいかわからなくなってしまう。PCとスマートフォンで違うURLにしたり、レスポンシブWEBデザインにしたりすれば問題ない。だが、GDOではアクセスしたWebブラウザを判定して、ブラウザごとに異なるソースを出力。そのためFEOを適用できない。

「今後、チューニングするにあたってはそういった部分にも手を付け、コンテンツの修正もしていこうと考えています。そうなるとFEOの現在の設定に影響が出る可能性もあるので、FEOの設定も変更しなければなりませんが」(加藤氏)

さらなる最適化を積み重ね、総合ゴルフポータル日本一を目指す

FEOが稼働し始めた4月、いきなり期待していた以上の表示速度が出たものの、ハイシーズンである春や秋にどれくらい遅延なくプロ セスが走るか、エンドユーザーが快適に予約サイトに滞在できるか。ゴルフ場予約サイトとして重要なのは、ハイシーズンのパフォーマンスだ。

「我々はサービス事業者です。ITに関わる部分は事業者サイドからすると、究極はオフロード化し、サービスを主語にITを設計したい。アカマイが持っているプラットフォームと同じリソースを用意することは我々にはできません。それよりも、システム以外の部分にパワーを注いで、ゴルフのフィールドで一番になりたいと考えています」(鈴木氏)

鈴木氏と加藤氏は、冗談めかして「速いことは正しい。目指せ、爆速!」と言っていた。だが、これは案外、本心ではないか。間近に待った秋のハイシーズンに向け、2人は今、FEOのチューニングに余念がない。