任天堂、「Super Mario Run」世界150の国と地域で同時配信

アカマイを配信パートナーに選び、世界同時配信を実現。

任天堂とDeNAは、アカマイとの協力体制を築き、1年間で3つのスマートデバイス向けアプリのリリースをし、「Dynamic Site Delivery」によって、任天堂のエンターテインメントを世界の人々に配信し続けています。

竹本賢一氏 , ビジネス開発本部 スマートデバイス事業部、事業システム開発グループ グループチーフ , 任天堂株式会社

概要

家庭用ゲーム機やゲームソフト、周辺機器の開発・販売を、グローバルに展開している任天堂。特に1981年に初登場した「マリオ」は任天堂を代表する、世界中で愛されているキャラクターだ。任天堂では2016年12月15日に、そのマリオを主人公としたiOS向けアクションゲーム「Super Mario Run」をリリースした。Apple Inc.のApp Storeでは4日間で4,000万ダウンロードという最高記録を樹立し、また、2017年3月にAndroid版の配信を開始し、まもなく合計1億5000万ダウンロードに到達する見通しだ(2017年3月末時点)。

そして、今年の2月「Fire Emblem Heroes」のiOS・Android版を世界同時に配信した。任天堂にとって、自社が開発したゲーム機への配信ではなく、世界中に普及し、あらゆるところからアクセス可能で、何種類もあるスマートデバイスに対して世界同時にリリースすることは未知の挑戦だった。

世界同時配信のチャレンジ

スマートデバイス事業部では、ニンテンドーアカウントやMy Nintendoといったサービスや、mBaaS(mobile Backend as a Service)と呼ばれる、スマートデバイス向けのモバイルゲームアプリの運用に必要なバックエンド機能を提供する基盤などの開発、運用を行っている。

2015年より事業部として独立し、DeNAと協業していることも特徴となっている。竹本氏は、同事業部の事業システム開発グループでグループチーフを務めている。

「特に大きなチャレンジとなったのが、世界150の国と地域で同時にサービスの配信を開始するというもので、事前登録の情報もあったため、配信規模を予測し、アカマイにはキャパシティ的な問題はないことを確認いただきました。一方で、アカマイのエッジサーバーにキャッシュが貯まる前にどれだけオリジンサーバーへトラフィックが突入するかは読みづらく、可能な限りオリジンサーバーへのトラフィックを軽減する策をアカマイと検討しました。1つは、CDNエッジサーバーの多段構成です。エッジサーバーとオリジンサーバーの間に、親エッジサーバーを階層的に立てる配置することで、オリジンのオフロード率を上げました。また、キャッシュのプリウォームを実施し、事前にアカマイの親エッジサーバーにキャッシュさせました。最後に、Make Public Earlyと呼ばれる機能を設定しました。エッジサーバーは、あるコンテンツをオリジンサーバーに取りに行っている最中に別のクライアントから同じコンテンツを要求された場合、別のリクエストとしてオリジンサーバーに取りに行きますが、この機能を使うと後続のリクエストが最初のリクエストのレスポンスを共有するという振る舞いになります。これらにより、オリジンサーバーへのトラフィックが削減され、100%のオフロード率を達成しました」(竹本氏)

「Dynamic Site Delivery」の豊富なオプションによるテーラーメイドのサービスで奏功

2016年に展開した任天堂初のiOS・Android用アプリ「Miitomo」も、ジブンにそっくりなMiiを通じてトモダチとコミュニケーションするスマホアプリとして世界中のユーザーに利用されているが、3月17日に日本国内限定配信後、3月31日に海外版と分けて配信した。

任天堂は、「Super Mario Run」の配信に、「Miitomo」を世界へ配信する際にも利用している「Dynamic Site Delivery」の採用を決定した。「アカマイのサービスはMiitomoやWiiでも採用しており、そのパフォーマンスと信頼性の高さは十分に理解していましたし、DeNAでもアカマイを利用していたという経緯もあり、信頼と実績でアカマイを選びました。それに加えて、オプション機能が非常に多く用意されていたことも理由の一つです。これは他社のサービスとの大きな違いです」と竹本氏は語った。

豊富なオプションについて竹本氏は、「エンジニアにとって、細かいところまで調整することができる魅力的なサービスです。1つ1つ説明することは難しいのですが、アカマイにテーラーメイドのサービスを用意していただいたような感じです。規模の大きな配信では、プロジェクトが進むにつれてこれまで見えていなかった課題や挑戦が浮かび上がってきます。細かい設定の仕方やオプションの使い方などに対するアカマイエンジニアからのアドバイスも的確でした。アカマイとオープンに会話することで継ぎ接ぎの課題解決ではなく、全体に最適化された解決案を提示してくれました。これが一番の要因だと思います」と話していた。

「これだけの豊富な機能があるにもかかわらず、配信コストをおさえながら、安定したグローバル配信・高速なコンテンツのデリバリーの実現など、任天堂が求める品質に対して非常に高いパフォーマンスを得られています」(竹本氏)

パフォーマンス、安定性、DDoS攻撃に対する強さで「Fast DNS」も利用

「大規模なアクセスが発生するサービスなので、パフォーマンス、安定性、DDoS攻撃に対する強さを考慮し、『Fast DNS』の採用を決定しました。『Fast DNS』はDNSとしての堅牢性以外にも、トップレベルドメインでCNAMEが設定できるといった特殊なアプローチがとれることも魅力的です」と竹本氏は言う。

安全・快適に配信されるゲームで世界中の人々を笑顔に

任天堂は、この1年間で3つのスマホアプリのリリースを通じ、新たな挑戦をして見事な成果を達成した。「今後も、スマホアプリを通じて、グローバルに任天堂IPをお届けし、世界の人々を笑顔にしていきます。そのミッションの遂行するために、アカマイはとても頼りになる配信パートナーです。今後も運用の最適化や、新しいアプリのリリースがありますが、世界中の人々に任天堂のコンテンツを楽しんでいただけるよう配信の品質や性能を向上させていきます」と竹本氏はアカマイへの期待を語った。