AI 推論、自然言語処理、コンピュータビジョン、動画分析、レンダリング、そしてビジュアライゼーションのいずれにおいても、GPU は欠かせない要素です。しかし、すべての GPU ワークロードが同じ特性を持っているわけではありません。複雑なモデルを処理するために大容量のメモリを必要とするものもあれば、リアルタイムの動画処理が中心となるものもあります。さらに、グラフィックス、レンダリング、8K ストリーミング、トランスコーディング、あるいは認定されたデザインワークフローに依存するワークロードも存在します。
Akamai Cloud は、これらすべての要件をサポートするために 3 つの NVIDIA GPU オプションを提供しており、自社のワークロードに最適なインフラストラクチャを選ぶことができます。
NVIDIA RTX PRO™ 6000 Blackwell Server Edition
NVIDIA RTX™ 4000 Ada Generation
NVIDIA QuadroⓇ RTX 6000 (従来型のプロフェッショナル向け GPU)
それぞれの GPU は、異なるタイプの推論やグラフィックス処理において独自の強みを発揮します。用途に合った最適な GPU を選択することで、パフォーマンスの最大化、コストの最適化、そして過剰なプロビジョニングの排除が可能になります。
Akamai Cloud が提供する 3 つの GPU オプションの特徴
NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition
NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition は、NVIDIA の Blackwell アーキテクチャを基盤とするサーバークラスの GPU です。大容量の GPU メモリと高い並列処理能力を備え、本番環境での継続的な AI 推論、ファインチューニング、8K ストリーミング、トランスコーディング、そして忠実度の高いビジュアライゼーションワークロードを処理するために設計されています。
NVIDIA RTX 4000 Ada Generation
NVIDIA RTX 4000 Ada Generation は、NVIDIA の Ada Lovelace アーキテクチャをベースにした、ワークステーションクラスのプロフェッショナル向け GPU です。グラフィックス性能、AI アクセラレーション、電力効率、コンパクトなフォームファクタのバランスに優れ、卓越したコストパフォーマンスを発揮するとともに、最新の AV1 ビデオワークフローにも対応します。
NVIDIA Quadro RTX シリーズ
NVIDIA Quadro RTX シリーズ は、NVIDIA のプロフェッショナル向け GPU ラインナップにおいて引き続き重要な役割を担っています。Quadroは、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)による厳格な動作認証が不可欠なCADや設計、視覚化ワークフローで広く採用されています。業務を止めない長期間の安定性と、主要な業務用アプリケーションとの互換性保証を備えています。クフローで広く使用されており、長期的な安定性と包括的な独立系ソフトウェアベンダー(ISV)認定を提供します。
ワークロードに応じたGPUの使い分け
GPU 選びの鍵は、自身の特定のワークロードとデータ構造に合ったものを選択することです。NVIDIA は、この選択を容易にするための分かりやすい事例と解説を提供しています。
Blackwell アーキテクチャは、エージェント型 AI(自律型 AI)、ファインチューニング、8K ゲーミングおよびストリーミング、ハードウェア・アクセラレーションによるトランスコーディング、フィジカル AI(物理 AI)、科学技術計算、レンダリング、3D グラフィックス、動画アプリケーションに最適です。一方、Ada Generation GPU は、3D モデリング、レンダリング、動画制作、および最新の AV1 トランスコーディングのワークフローに最も適しています。そして Quadro GPU は、認定されたプロフェッショナル向けグラフィックス環境において実績のある選択肢です。
これらの GPU が持つ強みは、その地理的に分散された特性を持つワークロードに対応する、Akamai の分散型クラウド上で利用することでさらに際立ちます。対話型 AI は世界中のユーザーとリアルタイムに通信し、コンピュータビジョンシステムは動画が生成されたその場でデータを処理します。また、レンダリング、シミュレーション、ビジュアライゼーションの出力は、グローバルに分散したチームによって利用されます。
これらすべてのワークロードをユーザーの近くに配置することで、パフォーマンスや顧客満足度が向上し、コスト削減にもつながります。
要件に合った GPU を選択するための基準
Akamai Cloud で提供される GPU オプションから最適なものを絞り込むには、NVIDIA 自身が各 GPU を「どのようなワークロードを高速化、そしてサポートするために設計したか」という定義から出発するのが有効です。
RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition:AI 推論、ファインチューニング、エージェント型 AI
NVIDIA は、RTX Pro 6000 Blackwell Server Edition を、AI 推論、ファインチューニング、エージェント型 AI、フィジカル AI、科学技術計算、レンダリング、3D グラフィックス、および動画アプリケーションにわたるワークロードの高速化に最適なモデルと位置づけています。このクラスの GPU が、本番環境における大規模な推論パイプライン、モデルのファインチューニング、8K AAA タイトルのサポート、8K クロマ・サブサンプリング、さらには忠実度の高いビジュアルタスクやシミュレーションタスクを処理できるように構築されているためです。
RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPU は、1 カード、2 カード、および 4 カードのプランで提供されています。詳細はこちら。
RTX 4000 Ada Generation:動画コンテンツ制作、ストリーミング、高度なレンダリング、3D モデリング
RTX 4000 Ada 世代 は、3D モデリング、複雑なレンダリング、動画コンテンツの制作およびストリーミングに最適です。さらに、AI による画像生成や、小規模言語モデル(SLM)の推論にも優れています。これは、ビジュアライゼーション、グラフィックス、マルチメディアワークフロー向けの強力なプロフェッショナル・ワークステーション GPU としての役割を反映したものであり、そのワークフロー内で AI 推論を加速できる Tensor コアの利点も備わっています。
Quadro RTX シリーズ:CAD、デザインのビジュアライゼーション、グラフィックス
Quadro GP は、プロフェッショナル向けのグラフィックス、CAD、デザインのビジュアライゼーション、および認定済みのレンダリングパイプライン向けに NVIDIA によって位置づけられています。エンジニアリング業界やデザイン業界全体で利用される、安定した認定済みのグラフィックス環境の代名詞であり続けています。
これらの NVIDIA によるワークロードの定義をガイドとして使用することで、アプリケーションを適切な GPU にマッピングしやすくなります(以下の表を参照してください)。
ワークロードのタイプ |
RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition |
RTX 4000 Ada Generation |
Quadro RTX シリーズ |
|---|---|---|---|
エージェント型 AI の推論(対話型、マルチモーダル、推論システム) |
大規模モデルの継続的な推論および高スループットサービスに最適 |
画像生成、小規模言語モデル(SLM)、小規模またはワークステーションベースの推論に適合 |
限定的(最新の AI 推論向けには最適化されていない) |
フィジカル AI(コンピュータビジョン、動画分析、監視) |
高解像度ストリーミング、マルチカメラ入力、リアルタイム処理に最適 |
比較的軽量なビジョンワークロードとローカライズされた処理に適している |
動画出力のグラフィックス駆動型ビジュアライゼーションに対しては中程度 |
科学技術計算および大規模データセットのビジュアライゼーション |
大容量の GPU メモリと並列処大容量 GPU メモリと並列処理性能により最適 |
ワークステーションレベルのビジュアライゼーションには中程度 |
従来型のビジュアライゼーションワークフローには中程度 |
レンダリング、3D グラフィックス、レイトレーシング |
大規模なシーンやサーバーホスト型のビジュアライゼーションに適している |
ワークステーションでのレンダリングやインタラクティブなグラフィックスに最適 |
認定されたプロフェッショナル向けレンダリングワークフローに最適 |
8K 動画処理およびマルチメディアパイプライン |
高スループットな動画と推論の組み合わせに適している |
動画の制作、ストリーミング、編集に最適 |
グラフィックスに特化した動画ワークフローに適している |
認定済みの CAD およびデザインアプリケーション |
中程度 |
良好 |
長年の独立系ソフトウェアベンダー(ISV)認定実績により極めて優秀 |
コンパクトなワークステーションへの展開 |
限定的 |
最適 |
良好 |
比較表:ワークロードに最適な GPU を選ぶために
分散型クラウド環境で Blackwell アーキテクチャが真価を発揮する理由
NVIDIA 自身が示す RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition 向けのワークロード例は、Akamai Cloud の分散型アーキテクチャで効果を発揮するワークロードのタイプと一致しています。これらの GPU 集約型の処理は、レイテンシーに敏感でデータ量が多く、またその性質上、地理的に分散しているケースが大半です。
エージェント型 AI:対話型、マルチモーダル、推論システム
エージェント型 AI システムは、ユーザーからのテキスト、画像、その他の入力をリアルタイムで取り込みます。システムは迅速に応答し、多くの場合、ライブアプリケーション体験の一部として機能する必要があります。
NVIDIA は、推論に数十ギガバイトの GPU メモリを必要とする大規模言語モデル(LLM)やマルチモーダルモデルにおいて、高スループットな推論を維持・拡張できる能力から、エージェント型 AI を Blackwell の主要なワークロードとして強調しています。これらのシステムを Akamai の分散型クラウドで実行すると、推論がユーザーの近くで行われるため、レイテンシーが短縮され、さまざまな地域をまたぐ対話型およびマルチモーダルなインタラクションの応答性が飛躍的に向上します。
ここが、Blackwell と分散型クラウドが合致するポイントです。Akamai Cloud 上の GPU がモデルの規模と推論の負荷を処理し、Akamai がユーザーへの近接性とグローバルなリーチを提供します。
フィジカル AI:コンピュータビジョン、動画分析、実世界の監視
フィジカル AI のワークロードには、高解像度の動画ストリーム、カメラ、センサーなど、実世界からの継続的な映像入力が伴います。これらの入力は、中央のデータセンターではなく、エッジで生成されます。
Blackwell GPU は、大規模な映像入力の処理、複雑なビジョン推論の効率的な実行、高解像度動画ストリームのリアルタイムでのトランスコーディングが可能であり、フィジカル AI に最適です。Akamai の分散型インフラストラクチャと組み合わせることで、動画やセンサーデータを遠く離れた地域に伝送することなく、データが生成された場所の近くで処理できるようになります。
Akamai の分散型クラウドは帯域幅のコストを削減し、意思決定におけるレイテンシーを低減させます。また、要件として定められた地理的境界内でデータを処理し続けることができ、大規模なリアルタイムの監視と分析を実現します。
科学技術計算、レンダリング、3D グラフィックス、動画処理
NVIDIA が科学技術計算、レンダリング、3D グラフィックス、および動画アプリケーションを 1 つにグループ化しているのは、これらがすべてメモリ集約型の並列ワークロードであり、大容量の GPU メモリと高度な RT コアおよび Tensor コアの恩恵を受けるためです。
これらのワークロードは多くの場合、分散したチーム、リモートでのビジュアライゼーション、デジタルツイン、シミュレーション環境、およびグローバルにアクセスする必要がある動画パイプラインをサポートします。
Akamai の分散型クラウド内の Blackwell GPU で科学技術計算を実行することで、GPU ファームを 1 箇所に集中させることなく、忠実度の高いグラフィックス、レンダリング、シミュレーションの出力をユーザー、デザイナー、エンジニア、オペレーターのすぐ近くへ配信することが可能になります。
Blackwell と Akamai がもたらす相乗効果
NVIDIA は、Blackwell が構築された目的となるワークロードのタイプを定義しています。そして Akamai は、それらのワークロードをデータが生成・消費される場所のより近くで実行するための分散型インフラストラクチャを提供します。
Akamai Cloud 上の Blackwell GPU は、大規模な推論、ファインチューニング、ビジョン処理、およびビジュアルコンピューティングを可能にします。
Akamai は、低いレイテンシーとデータへの近接性によって、それらのワークロードをグローバルに拡張します。
Akamai の分散型クラウド上にある Blackwell GPU でエージェント型 AI、フィジカル AI、高度なビジュアルコンピューティングを実行することで、単一の中央データセンター内にとどまらず、現実世界のさまざまな環境においてパフォーマンスをスケールさせることができます。
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