協力:Emily Lyons
AI Pulseへようこそ。AI Pulseは、AIボットの現状についてデータに基づいた知見を共有するブログシリーズです。
AI Pulseシリーズの過去のブログ記事を見逃した方は、「GPT-5以降のOpenAIのとんでもないボットのふるまい」、「 AIボット緩和はあらゆる場所で増加している」、「AIボットのふるまいについて概日リズムから何が分かるか」、「ビッグテックがAIボットトラフィックに及ぼす影響」をご覧ください。
この記事では、AIボットが好む標的について、業界別やAIボットの種類別の詳細を含め、幅広く取り上げます。また、緩和策や、最も標的とされている業界がどのように対応しているかについても論じます。
AIボットは選り好みする
AkamaiがAIボットトラフィックの追跡を開始して以降、明確なパターンが発生し、一部の業界が他の業界よりもはるかに多くの活動を引き付けていることが分かっています。Akamaiが新たに定めたAIボットの分類により、特定のセクターを標的とするAIボットの種類とその理由を深く理解することができました。
図1は、Akamaiのネットワーク全体におけるAIボットトラフィックの分布を示しています。このトラフィックの45 %以上はコマースの顧客を標的としており、出版およびデジタルメディア、そしてハイテクが続きます。
一目惚れ:コマースとAIプラットフォーム
AIボットがコマースを最も標的にするのはなぜでしょうか?AIボットは構造化された高価値のデータを好み、オンライン小売はそれであふれているからです。商品リスト、価格、レビュー、在庫データはクリーンで一貫性があり、絶えず更新されているため、AIモデルにとって最適な栄養となります。
AIボットのすべてのカテゴリーにおいてコマースがリードしていますが、現時点でAIエージェントは鳴りを潜めており、AIフェッチャーの分布ははるかに分散しています(図2)。
AIプラットフォームとエージェント型コマースは、この基盤上に構築されています。エージェント型・ショッピング・アシスタント、比較エンジン、市場インテリジェンスツールは、トレーニングと運用のために小売データをますます利用するようになっています。
また、販売業者や決済プロバイダーとのエコシステム全体にわたる新しい形態のパートナーシップにより、エージェントがユーザーの代わりに安全に商品を見て、比較し、さらには購入することができる、検証済みのトランザクションAI体験がサポートされています。
旅行&ホテルブランドはこのコラボレーションをさらに発展させ、Model Context Protocol(MCP)サーバーや技術提携を試し、AIプラットフォームがコンテンツをより簡単に理解し、安全に参照できるようにしています。
出版社やコンテンツ制作者があまり重視されていない現状
出版およびデジタルメディアはAIボットの標的の第2位であり、Akamaiネットワーク全体のAIボットトラフィックの14%以上を占めます。しかし、関心が急激に高まることが必ずしも好ましいとは言えません。
AIプラットフォームは、モデルのトレーニング、AI駆動型検索機能の強化、サマリーの生成を目的としてオリジナルの記事、動画、クリエイティブ作品をスクレイプすることがますます増えており、それらはすべて帰属表示や補償なく行われます。このようなふるまいにより、広告とサブスクリプションの収益が減少し、ブランドの完全性が低下し、デジタルコンテンツの所有権があいまいになります。
Akamaiは出版社やオリジナルコンテンツ制作者の味方です。Akamaiは世界最大規模の出版社やデジタル・メディア・ブランドと提携して、AIボットがコンテンツとどのようなインタラクションを行うかを積極的に管理し、使用許諾、収益化、知的財産保護を実施して、コンテンツがAIに悪用されずに責任を持って利用されるようにしています。
ハイテク:次世代のトレーニング
AIボット活動において、ハイテク業界は僅差で出版業界の次に位置しています。SaaS(Software as a Service)プラットフォーム、クラウドプロバイダー、ハイパースケーラーを含むこのセグメントは、多くのWebを支えるインフラです。
AIボットは豊富な技術コンテンツ、パブリックAPI、製品データを狙ってこれらのサイトを標的にします。それらはすべて、モデルトレーニングや競合情報分析に役立ちます。実際、自動化のビルダーは、次世代をトレーニングするための主要なソースとなっています。
Akamai独自のAIボットカテゴリー
以前のAI Pulseでは、どのAIボットがどのタスクを実行するかをより適切に定義するために役立つAkamai独自の新しいAIボットカテゴリーを取り上げました。
上位カテゴリーは次のとおりです。
AIトレーニングクローラーは、Webサイトから大量のデータを自動的にスキャンして収集し、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングデータとして使用します。
AI検索クローラーは、AIを利用した検索体験のためにWebサイトを自動的にスキャンおよびインデックス化します。
AIフェッチャーは、AIチャットボットを介した質問への回答やWebページの要約など、AIアシスタントの特定のユーザーリクエストに対応するために、特定のWebページをリアルタイムで取得します。
AIボットの内訳
AkamaiがAIボットトラフィックの追跡を開始して以降、ボットディレクトリの一部として分類されるAIボットは40件を超えています。興味深いことに、その40件中 9件だけで大量のトラフィックが見られます。
最もアクティブなAIボットはChatGPT-User、Bytespider、Meta-ExternalAgent、GPTBot、ClaudeBot、OAI-SearchBotであることが分かりました。トラフィック量の少ない残り3つのAIボットは、Google-CloudVertexBot、PerplexityBot、TikTokSpiderです。その他のAIボットはどれも、極めて少ないトラフィック量を占めています。
業界別に見るAIボット
図3は、このボットトラフィックの業界別内訳を示しています。ここでも、5つの主要プレーヤーのほぼすべてにおいてコマースが主なターゲットであることが分かります。どのAIボットでも、コマースは同様に標的にされています。
しかし、特に注目すべき点は、公共部門における最近のGPT-Userトラフィックの増加です。GPT-Userはユーザー主導のリクエスト向けにコンテンツを取得することに重点を置いたフェッチャーであるため、これは今日の政治情勢に関連している可能性があるとAkamaiは仮定しています。特に米国では、政府情報の調達に対する関心がますます高まっています。
AIボットトラフィックをブロックすべきかどうか
それでは、皆さんはAIボットトラフィックにどのように対応しているのでしょうか?AI Pulseシリーズの2つ目の記事では、業界や地域全体でAIボットの緩和(制御)が増加していると述べました。
Akamaiは、AIボットトラフィックを監視または緩和する機能を顧客に提供します。Akamaiの顧客は、主に次の3つの緩和策を使用しています。
拒否(完全ブロック)
ターピット(接続全体を遅くする攻撃的なアクション。多くの場合、接続を長時間開いたままにし、応答しないか、非常に遅い連続データストリームを提供することにより、ボットを無限ループに閉じ込めるか、タイムアウトになるまでリソースを著しく拘束します)
遅延(短いレイテンシー(数秒の遅延)を意図的に挿入してから応答を提供する、より繊細なアクション。ピークトラフィック時にボットの活動速度を低下させることができます)
6月以降、緩和されているAIボットトラフィックの量が2倍になったことが確認されており、これは主に公共部門に起因します(図4)。
AIボットトラフィックの追跡により、Akamaiはさまざまな知見を得ました。たとえば、
Akamaiは以前、コマース全体でAIボットトラフィックの緩和が増加していることに言及しましたが、その後は安定しています。これは、コマース業界がAIボットに好感を抱いており、おそらくコンテンツへのアクセスを許可し続けることを示しています。
先述のとおり、公共部門のAIボットトラフィックはChatGPT-Userトラフィック全体の多くを占めています。興味深いことに、別の特定のAIボットが公共部門(特に1つの米国政府機関)を標的にしていることも分かりました。
この特定のボット活動の緩和は、9月末から10月にかけて、AkamaiのAIボット緩和アクションのほぼ半分を占めており、予想外の結果となりました。
その重要性とは
AIボットは定着しており、なくなることはありません。私たちがエージェント型時代に進むにつれて、AIボットの影響は進化し続け、それによって産業界と自動化の関係が変化します。
コマース業界では、エージェント型コマースの台頭により、企業とその周辺に構築されたAI駆動型のエコシステムとのつながりが強化される一方です。
出版業界では、Akamaiはコンテンツ制作者の味方であり続け、検知を回避する不正なスクレイピングを防ぎ、苦労して得られた収益を保護し、創作物に対する公正な報酬を確保できるよう支援します。
Akamaiは、収益化アライアンス、決済プロバイダー、同業他社、開発者、AIプラットフォームと提携して、すべての業界が責任をもって効果的にAIボットを管理するために必要なツールとサポートを得られるようにします。
今後の情報提供
このシリーズの次の記事でも、AIボットに関する新たな知見を紹介します。引き続きご期待ください。
詳細情報
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